DX推進戦略と進捗について
株式会社コンテックス
代表取締役 近藤 千奈美
2023年2月の経営会議でDXを推進していくことを発表し、活動を開始しました。
以下のDX戦略を⽴案し、定期的に議論や実践を重ねて社内展開を進めております。
●DX推進戦略
1.DXを推進する背景
近年のデジタル技術の著しい進歩は、社会や当社の競争環境に大きな影響を及ぼしています。あらゆる業種において、業務の生産性向上や顧客価値の向上にはデジタル技術の活用が不可欠になっており、その活用ができる企業とできない企業の格差は今後益々拡大していくものと思われます。
特に、中小企業は、デジタル技術を活用するためのノウハウに乏しく、デジタル化を自力で進めるには多くの課題があるため、中小企業のデジタル化に向けた支援が求められています。
当社も中小企業のひとつではありますが、早い段階からデジタル技術の積極活用を推進してきたこともあり、人のスキルや勘だけに頼るのではなく、デジタルデータを活かした自社業務の生産性向上や付加価値向上に努めています。今後は、そのノウハウを活かして、多くの中小企業のデジタル化を支援するサービスを提供していくことで、中小企業のDX推進に貢献していけると考えています。
2.DXに関する経営ビジョン
当社のDXに関する経営ビジョンは、「長年のモノづくり企業支援の経験を活かし、DXによってお客様の経営課題を解決する付加価値の高い提案・サービスが提供できるソリューション企業に進化し、日本のモノづくり産業の発展に貢献する」です。
具体的には、社内のDXをさらに強化することで、社会の変化に対応できる体制を構築するとともに、全社で改善を行う仕組みと社風づくりを推進することで、顧客にとっても新たな価値創出につながるような付加価値の高いソリューションを継続して提供する企業を目指します。
そのビジョンを実現するために、社内においては、デジタル技術の活用による社内業務の効率化やナレッジの共有を進めることで、スピーディーで良質なサービスを安定して提供できる基盤を整え、顧客に対しては、自社のDX推進の経験を活かして中小企業のDX化を支援するサービスを提供していきます。
3.経営ビジョンを実現するためのビジネスモデル
①デジタル技術活用による業務の効率化
自社の様々な業務にデジタル技術を活用することで、業務の効率化を図ります。
自社の様々な業務にデジタル技術を活用することで、業務の効率化を図ります。
②デジタル技術活用によるスピード経営の実現
業務を効率化するだけではなく、データを活用した経営を行い、変化の激しい現代の事業環境に対応していけるスピード経営を実践します。
業務を効率化するだけではなく、データを活用した経営を行い、変化の激しい現代の事業環境に対応していけるスピード経営を実践します。
➂自社でのデジタル技術活用の事例をパッケージ化した商品の販売
自社で実践するデジタル技術の活用ノウハウを商品化してサービスとして提供することで、多くの中小企業のデジタル化の推進に貢献します。
自社で実践するデジタル技術の活用ノウハウを商品化してサービスとして提供することで、多くの中小企業のデジタル化の推進に貢献します。
4.経営ビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略
4-1.デジタル技術活用による社内業務の効率化とスピード経営の実現
以下の取り組みにより、社内業務の効率化とスピード経営を実現します。
- 就業場所の自由化を図り、従業員の業務効率を高めます:クラウドシステム、クラウドストレージの活用
- コミュニケーションのデジタル化と情報の言語化(テキスト化)で情報の共有とナレッジの蓄積を推進し、課題解決のスピードアップを図ります:チャットツールの活用
- 各種申請書や帳票類、契約書の電子化を進め、ペーパーレス化を一層推進します:電子帳票作成ツールの活用
- 売上等の経営数値を表・グラフで可視化し、経営課題の認識促進と迅速な経営課題の改善に役立てます:BI(Business Intelligence)の導入と活用
- 社内人材の保有スキルを見える化することで、より高い付加価値を生み出すスキルの習得を促します:BIによる人材のスキルマップの作成
【達成度を測る指標】
- 社員の経営指標サイトへの毎月のアクセス数:3年後までに段階的に全社員の90%以上がアクセスする状態とする
- バックヤード業務の事務担当者の人数:売上が拡大しても、生産性向上により現状の人数を維持する
- プリンタ印刷紙の購入額:ペーパーレス推進のため前年度の50%以下を目指し、3年後には初期(2022年度)の15%以下とする
- 電子化された申請書・帳票・契約書の数:初年度に10以上、次年度にさらに10以上、3年目にはすべて電子化する
- ITツール利用機器の台数:3年後までに全従業員にインターネット通信可能なPC/スマホ/タブレットのいずれか1台を付与する
4-2.デジタル技術活用による自社のDX推進ノウハウを活かしたDX推進支援サービスの提供
以下の取り組みにより、自社のDX推進ノウハウを活かしたDX推進支援サービスを提供し、特に小規模製造業の業務効率の向上に貢献します。
- 小さな企業の営業力・発信力をDXを活用して向上させる支援をします:当社が活用する営業ツールを活用したインサイドセールス体制の構築
- 中小企業向けの多機能な基幹システムを導入する支援をします:当社が活用する多機能クラウドシステムをカスタマイズしたパッケージの販売と運用コンサルティング
- BIによる人材のスキルマップ作成の支援をします:人材育成および適材適所への人材配置を行うために必要となる社内人材のスキルの見える化
【達成度を測る指標】
- DX推進支援サービスの導入社数:2023年度は7月から年間10社以上の導入を実施し、以降毎年度導入社数を増加させる
- メルマガ配信支援社数:2023年度は7月から年間5社以上のメルマガ配信支援を実施し、以降毎年度支援社数を増加させる
- お客様の声をもとにした機能開発件数:2023年度には年間10以上の機能を開発してDX推進支援サービスの基本機能として提供し、5年後には50以上の機能まで増加させる
- IT関連資格保有者数:スキルマップを活用したIT人材の育成指標として、IT関連資格保有者数が全社員数の8%以上となる水準を維持する
4-3.デジタル技術活用のさらなる高度化(長期的な取り組み)
上記に加え、長期的には、デジタル技術活用のさらなる高度化に向けて、以下の取り組みを実施します。
- AI技術を活用したマニュアル作成により、さらに生産性を高めます:マニュアルの文章作成の時間短縮と効率化
- 現場ノウハウの言語化を進め、社内技術ナレッジのデータベースを構築します:トラブル/ソリューション履歴の活用による高品質な技術サポートの提供
- 経営数値をよりリアルタイムに集計することで、さらに安定した経営を実現します:KPIを表示する経営ダッシュボードの作成
【達成度を測る指標】
- マニュアル文章作成時間:AI技術の活用で、5年後のマニュアル文章作成時間を30%(対2022年度比)削減し、以降も毎年度削減する
- トラブルソリューションの対応時間:5年後の対応時間を10%(対2022年度比)削減し、以降も毎年度削減する
- 売上総利益額:KPIを表示する経営ダッシュボードの活用により、3年後の売上総利益額を15%増加(対2022年度比)させ、以降も毎年度増加させる
5.体制・組織
DX戦略を推進するための体制・組織として、社長を委員長とした「DX推進委員会」を設置します。
6.人材の育成・確保
DX戦略を推進するための人材の育成として、「DX推進委員会」主導のもと、以下の取り組みを実施し、DX人材を育成していきます。
- 全社員研修の定期的開催(DX推進の意義の共有、デジタル技術の取り扱い 等)
- 社内外のDX研修受講、各種資格取得の促進
- DXリテラシー向上のための社内教育の実施(少なくとも年に1回は実施)
- 社内業務を積極的にDX化することによる業務を通じたDXリテラシーの向上
DX戦略を推進するための人材確保として、以下の取り組みを実施し、DX人材を確保していきます。
- IT系有資格者の積極的採用
- 外部のITスペシャリスト(個人・企業)との協力体制構築、アドバイザーとしての当社DX推進体制への参加
7.環境やシステム
DX戦略を推進するためのITシステム・デジタル技術活用環境の整備に向けて、以下の取り組みを実施します。
- 積極的なITシステム導入に向けて、予算配分のシフトを図る
- 導入したITシステムを最大限に活用するため、IT人材の育成に向けた研修費を新設し、予算を確保する。
- アプリケーション選定においては、オンプレミス型ではなく、端末や場所、時間に限定されないクラウドシステムを優先して採用し、生産性の向上を図る。
- API、RPA、AIを活用して、自動処理やシステム連携を積極的に行い、生産性の向上を図る。
- 上記以外も含め、ITシステム・デジタル技術導入やIT人材育成のための予算枠を毎年確保し、DXを推進する。
●DX推進の進捗
自社内の取組みから得たノウハウをもとに、 今後はDX 推進に向けたお客様への提案活動を活発に行ってまいります。
また、当社でのITツール・機器等の活用の歩みに加えて、2023年7月からのDX推進の進捗をここにお知らせしてまいります。
年月 | 実施内容 |
2018年5月 | 情報セキュリティ基本方針を作成しました。 |
2018年6月 | SECURITY ACTION 二つ星を宣言しました。 |
2018年6月 | クラウド型顧客管理アプリケーション: Zoho CRMを導入しました。 |
2019年4月 | クラウド型業務アプリケーション :Zoho Oneを導入しました。 |
2019年4月 | クラウド会計Freeeを導入しました。 |
2021年11月 | クラウド請求書作成ソフト(インボイス制度・適格請求書対応)、見積書発行、経営管理ツール :boardを導入しました。 |
2023年7月 | Google Workspaceを全社導入しました。 |
2023年7月 | Zoho Formsによる帳票・申請書等の電子化および運用開始しました。 |
2023年7月 | 正社員全員にiPhoneを配布しました |
2023年2月 | 情報セキュリティ基本方針を改訂しました。 |
2023年8月 | 経済産業省が推進する DX認定制度へ登録申請しました。 |
2023年8月 | 申請書の電子化(8件/10件)完成 |
2023年10月 | DX認定事業者として登録されました。 |
2023年10月 | チャットアプリ(Google Chat)の社内普及率:96% ITデバイス(PC/スマホ/タブレット)配布率:88% |
2023年10月 | 申請書の電子化(9件/10件)完成 |
2023年11月 | 申請書の電子化(10件/10件)完成 |